/ハイリー・センシティブ・パーソンとは?名前の由来と研究の歴史
HSP

ハイリー・センシティブ・パーソンとは?名前の由来と研究の歴史

知っているようで意外と知らない。「HSP」って、そもそもどんな意味の言葉なのか知っていますか?

公開 2026.09.05更新 2026.09.29読了時間:7分
ハイリー・センシティブ・パーソンとは?名前の由来と研究の歴史

「HSP」という略語は知っていても、「ハイリー・センシティブ・パーソン」という正式名称の意味や、なぜこの名前がつけられたのかまで知っている人は少ないかもしれません。名前の背景を知ることで、HSPへの理解がより深まります。

この記事でわかること

  • ✓「ハイリー・センシティブ・パーソン」の英語としての意味
  • ✓アーロン博士がなぜこの概念を作ったのか
  • ✓英語圏と日本でのHSPの広まり方の違い

「ハイリー・センシティブ・パーソン」とは

直訳すると「とても敏感な人」。アーロン博士が感受性の高さを気質として捉えた概念です。

ペンちゃんペンちゃん
HSPって言葉は聞き慣れたんだけど、どういう略なのかな?
フー先生フー先生
Highly=とても、Sensitive=敏感な、Person=人、という意味なんだよ。つまり「とても敏感な人」という直訳になるんだ。
ペンちゃんペンちゃん
そのまんまの意味なんだね!誰がこの言葉を作ったの?
フー先生フー先生
アメリカの心理学者、エレイン・アーロン博士だよ。1996年に著書「The Highly Sensitive Person」を出版して、この概念を世に広めたんだ。

英語では「Highly Sensitive Person(HSP)」という表記が標準ですが、日本では「HSP」という略称の方が広く使われています。「ハイリー・センシティブ・パーソン」というカタカナ表記は、日本語の翻訳本や学術系の文章で出てくることが多いですよ。英語圏では「highly sensitive」という形で使われることもあって、「I'm highly sensitive(私はとても敏感です)」という表現も日常的に使われています。

アーロン博士がHSPを作った理由

自身もHSPであるアーロン博士が、感受性の高さを「弱さ」とは区別する概念として提唱しました。

ペンちゃんペンちゃん
アーロン博士ってどんな人なの?
フー先生フー先生
エレイン・アーロン博士はアメリカの臨床心理学者で、カリフォルニア州立大学でカウンセリング心理学を学んだ方だよ。実は博士自身もHSPなんだ。自分が「なぜこんなに人より疲れやすいんだろう」と思っていた経験が、研究のきっかけになったそうだよ。
ペンちゃんペンちゃん
そうなんだ!自分のことを研究したんだね。
フー先生フー先生
そうそう。博士は1991年頃から感受性の高い人たちへのインタビューや調査を始めて、1996年に「The Highly Sensitive Person」という本を出版したんだ。それが世界中に広まったんだよ。

アーロン博士の研究は、当時の心理学で「内向性ないこうせい」と混同されやすかった感受性の高さを、独立した概念として切り分けることから始まりました。当時は、刺激に敏感な人は「内向的で神経質なタイプ」と分類されることが多かったんです。でも博士は、「外向的なのに刺激に敏感な人がいる」ということと、「感受性の高さは内向性とは別の神経システムの特性だ」ということを明らかにしました。1997年には学術論文を発表して、HSPを科学的な概念として確立していったんです。アーロン博士のウェブサイト(hsperson.com)は今でも世界中のHSPに参照され続けている情報源になっています。

「Highly Sensitive」という言葉を選んだのにも、ちゃんと理由があります。「Oversensitive(過剰に敏感)」や「Hypersensitive(超敏感)」という言葉は、どこか「異常なこと」「問題があること」というニュアンスを含んでしまうんです。それに対して「Highly」は程度を表す言葉で、「とても背が高い」「とても走るのが速い」と同じように、個人差の中の一つの形として感受性の高さを表現するために選ばれました。この言葉の選び方に、HSPを「治すべき問題」ではなく「気質の一つ」として捉えようとするアーロン博士の気持ちが表れているんですね。

英語圏でのHSPの扱われ方

1996年以降、心理学・神経科学の分野で研究が続いています。
気質研究の重要なテーマの一つです。

ペンちゃんペンちゃん
海外ではHSPって有名なの?
フー先生フー先生
そうだね、アメリカやヨーロッパではアーロン博士の著書がベストセラーになって、HSPという概念はかなり広まっているよ。心理学や神経科学の論文でも研究が続いていて、感受性の高さに関わる遺伝子や脳の活動パターンを調べた研究もあるんだ。
ペンちゃんペンちゃん
脳の研究まであるんだ!すごいね。
フー先生フー先生
うん。特に面白いのは、HSPのような感受性の高い気質は人間だけじゃなくて、魚や鳥、哺乳類など多くの動物でも確認されているということ。環境の変化を敏感に察知する「慎重な戦略」として、進化的に保存されてきた可能性があるんだよ。

英語圏ではアーロン博士を中心に、HSPのコミュニティが広がっています。博士のウェブサイト(hsperson.com)では自己診断のスケールが公開されていて、HSP向けのワークショップや、HSPを支援する人向けのトレーニングも提供されているんです。また、「素因感受性そいんかんじゅせいモデル」という研究では、感受性の高い人は悪い環境では最も傷つきやすい一方で、良い環境では最も大きく恩恵を受けるという特性が示されており、HSP研究とも重なるテーマとして注目されています。たとえば、サポートが行き届いた職場環境では、HSP気質の人ほど仕事への充実感や満足感を感じやすいことや、温かく安心できる人間関係の中では、感受性の高さが「深い共感力」として活きやすいことが報告されています。同じ気質であっても、環境との相性が、HSPの生きやすさに大きく影響しているのです。

日本でのHSPの広まり方

日本では2000年代に訳書が出版され、2019年頃からSNSを中心に急速に広まりました。
「繊細さん」という言葉も日本独自の表現として定着しています。

日本へのHSPの広まりは、段階的でした。2000年代はじめに「敏感すぎて傷つきやすい人たち」(エレイン・アーロン著)などの翻訳本が出版されましたが、最初は心理学や精神科の専門的な文脈での認知にとどまっていたんです。転機は2019年頃。武田友紀氏の著書「繊細さんの本」がヒットして、HSPを「繊細さん」という親しみやすい言葉で表現したことで、SNSを通じて一気に認知が広がりました。Twitter(現X)やInstagramで「#HSP」のタグ投稿が急増して、「自分もHSPかもしれない」という声がたくさん上がりましたよね。

ペンちゃんペンちゃん
じゃあ「繊細さん」ってHSPのこと?
フー先生フー先生
そうだよ。「繊細さん」はHSPの日本語的な表現として広まった言葉なんだ。「ハイリー・センシティブ・パーソン」より柔らかくて親しみやすいよね。どちらも同じ概念を指しているよ。
ペンちゃんペンちゃん
なるほど。ぼくも「繊細さん」って言葉の方が最初に知ったかも。
フー先生フー先生
日本ではその言葉の広まり方が特徴的だったんだよ。海外では学術研究から広まったのに対して、日本はSNSやエッセイ本がきっかけになったことが多い。それが良い面も難しい面もあるんだけど、「自分を理解するきっかけ」になった人が増えたことは確かだよね。
HSPが世界に広まるまでの歴史

「HSP」と英語名は同じ意味?

同じ概念を指します。「HSP」はHighly Sensitive Personの略称です。略称の方が日本では一般的に使われていますが、どちらも同じ気質を表しています。

ペンちゃんペンちゃん
「ハイリー・センシティブ・パーソン」と「HSP」って完全に同じこと?
フー先生フー先生
そうそう、全く同じだよ。「HSP」はHighly Sensitive Personの頭文字をとった略称なんだ。日常会話や記事ではHSPの方が使いやすいから略称の方が定着したけど、意味は同じ。どちらを使っても問題ないよ。
ペンちゃんペンちゃん
わかった。じゃあ病院に行くときはどっちで言えばいい?
フー先生フー先生
どちらでもいいけど、「HSP」の方が認知されていることが多いかな。ただ、お医者さんへの相談は「HSPです」より「こういう症状があります」と具体的に伝える方が診察に役立つよ。
感受性の高さは、両方向に深く反応する

ちなみに、HSPという言葉が表すのは「傷つきやすさ」だけではありません。感受性が高いということは、ネガティブなことだけでなく、ポジティブな体験も人一倍深く感じられるということでもあります。美しい景色や音楽に心が震えたり、誰かのちょっとした優しさにじんとしたり——そういう豊かな感動も、感受性の高さがあってこそです。

ペンちゃんペンちゃん
繊細だからこそ、小さな幸せもすごく大きなものに感じられるのわかるなぁ。
ポチちゃんポチちゃん
じゃあさ、Happy・Smile・Person! 「幸せをいっぱい感じて、笑顔あふれる人」っていう意味のHSPって考えてみるのも良くない??
ペンちゃんペンちゃん
わぁ、それは素敵だね! そういう考え方だと何だか前向きになれそう♪

この記事のおさらい

  • 1「ハイリー・センシティブ・パーソン」は「とても敏感な人」を意味する英語の概念
  • 2心理学者エレイン・アーロン博士が1996年に著書で提唱し、世界に広まった
  • 3博士自身もHSPであり、「感受性の高さを気質として捉える」という視点が核心
  • 4「Highly」という言葉は病的ニュアンスを避け、個人差の一形態として表現するために選ばれた
  • 5日本では「繊細さん」という言葉とともに2019年頃からSNSを中心に急速に広まった

関連する悩み

あなたに合う記事を探す

今、気になっているのはどれ?

NAKAYOSHI MURA

ひとりで考えるのに疲れたら

仲良し村で、ゆっくり話してみませんか。

仲良し村をのぞいてみる