「HSP」という略語は知っていても、「ハイリー・センシティブ・パーソン」という正式名称の意味や、なぜこの名前がつけられたのかまで知っている人は少ないかもしれません。名前の背景を知ることで、HSPへの理解がより深まります。
この記事でわかること
- ✓「ハイリー・センシティブ・パーソン」の英語としての意味
- ✓アーロン博士がなぜこの概念を作ったのか
- ✓英語圏と日本でのHSPの広まり方の違い
「ハイリー・センシティブ・パーソン」とは
直訳すると「とても敏感な人」。アーロン博士が感受性の高さを気質として捉えた概念です。
ペンちゃん
フー先生
ペンちゃん
フー先生英語では「Highly Sensitive Person(HSP)」という表記が標準ですが、日本では「HSP」という略称の方が広く使われています。「ハイリー・センシティブ・パーソン」というカタカナ表記は、日本語の翻訳本や学術系の文章で出てくることが多いですよ。英語圏では「highly sensitive」という形で使われることもあって、「I'm highly sensitive(私はとても敏感です)」という表現も日常的に使われています。
アーロン博士がHSPを作った理由
自身もHSPであるアーロン博士が、感受性の高さを「弱さ」とは区別する概念として提唱しました。
ペンちゃん
フー先生
ペンちゃん
フー先生アーロン博士の研究は、当時の心理学で「内向性」と混同されやすかった感受性の高さを、独立した概念として切り分けることから始まりました。当時は、刺激に敏感な人は「内向的で神経質なタイプ」と分類されることが多かったんです。でも博士は、「外向的なのに刺激に敏感な人がいる」ということと、「感受性の高さは内向性とは別の神経システムの特性だ」ということを明らかにしました。1997年には学術論文を発表して、HSPを科学的な概念として確立していったんです。アーロン博士のウェブサイト(hsperson.com)は今でも世界中のHSPに参照され続けている情報源になっています。
「Highly Sensitive」という言葉を選んだのにも、ちゃんと理由があります。「Oversensitive(過剰に敏感)」や「Hypersensitive(超敏感)」という言葉は、どこか「異常なこと」「問題があること」というニュアンスを含んでしまうんです。それに対して「Highly」は程度を表す言葉で、「とても背が高い」「とても走るのが速い」と同じように、個人差の中の一つの形として感受性の高さを表現するために選ばれました。この言葉の選び方に、HSPを「治すべき問題」ではなく「気質の一つ」として捉えようとするアーロン博士の気持ちが表れているんですね。
英語圏でのHSPの扱われ方
1996年以降、心理学・神経科学の分野で研究が続いています。
気質研究の重要なテーマの一つです。
ペンちゃん
フー先生
ペンちゃん
フー先生英語圏ではアーロン博士を中心に、HSPのコミュニティが広がっています。博士のウェブサイト(hsperson.com)では自己診断のスケールが公開されていて、HSP向けのワークショップや、HSPを支援する人向けのトレーニングも提供されているんです。また、「素因感受性モデル」という研究では、感受性の高い人は悪い環境では最も傷つきやすい一方で、良い環境では最も大きく恩恵を受けるという特性が示されており、HSP研究とも重なるテーマとして注目されています。たとえば、サポートが行き届いた職場環境では、HSP気質の人ほど仕事への充実感や満足感を感じやすいことや、温かく安心できる人間関係の中では、感受性の高さが「深い共感力」として活きやすいことが報告されています。同じ気質であっても、環境との相性が、HSPの生きやすさに大きく影響しているのです。
日本でのHSPの広まり方
日本では2000年代に訳書が出版され、2019年頃からSNSを中心に急速に広まりました。
「繊細さん」という言葉も日本独自の表現として定着しています。
日本へのHSPの広まりは、段階的でした。2000年代はじめに「敏感すぎて傷つきやすい人たち」(エレイン・アーロン著)などの翻訳本が出版されましたが、最初は心理学や精神科の専門的な文脈での認知にとどまっていたんです。転機は2019年頃。武田友紀氏の著書「繊細さんの本」がヒットして、HSPを「繊細さん」という親しみやすい言葉で表現したことで、SNSを通じて一気に認知が広がりました。Twitter(現X)やInstagramで「#HSP」のタグ投稿が急増して、「自分もHSPかもしれない」という声がたくさん上がりましたよね。
ペンちゃん
フー先生
ペンちゃん
フー先生
「HSP」と英語名は同じ意味?
同じ概念を指します。「HSP」はHighly Sensitive Personの略称です。略称の方が日本では一般的に使われていますが、どちらも同じ気質を表しています。
ペンちゃん
フー先生
ペンちゃん
フー先生
ちなみに、HSPという言葉が表すのは「傷つきやすさ」だけではありません。感受性が高いということは、ネガティブなことだけでなく、ポジティブな体験も人一倍深く感じられるということでもあります。美しい景色や音楽に心が震えたり、誰かのちょっとした優しさにじんとしたり——そういう豊かな感動も、感受性の高さがあってこそです。
ペンちゃん
ポチちゃん
ペンちゃんこの記事のおさらい
- 1「ハイリー・センシティブ・パーソン」は「とても敏感な人」を意味する英語の概念
- 2心理学者エレイン・アーロン博士が1996年に著書で提唱し、世界に広まった
- 3博士自身もHSPであり、「感受性の高さを気質として捉える」という視点が核心
- 4「Highly」という言葉は病的ニュアンスを避け、個人差の一形態として表現するために選ばれた
- 5日本では「繊細さん」という言葉とともに2019年頃からSNSを中心に急速に広まった